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製造現場から褒められる部品設計の秘訣

ステンレス(SUS)の特徴や設備部品での選び方を解説(後編)- 丸パイプ材、板材、アングル材など

内外径が#400研磨されたサニタリー管も規格サイズを知っておくと役立つと思います。

表6-4 ステンレス材料 丸パイプの標準寸法(サニタリー管)

表6-4 ステンレス材料 丸パイプ

外径 D 厚さ t
25.4 1.2
31.8 1.2
38.1 1.2
50.8 1.5
63.5 2.0
76.3 2.0
89.1 2.0
101.6 2.0
114.3 3.0
139.8 3.0
165.2 3.0

JIS G 3447より抜粋

 7. ステンレス材料のうち板材の特徴

ステンレス材料のうち、主に板金加工部品に用いられる板材の特徴について解説します。

ステンレス材料のうち、板材の特徴

板材は主にレーザーカットやタレットパンチなどの精密板金加工が施され、板金加工部品として使用されますね。

図7のように簡単な板金ブラケットや、装置の筐体・カバーなどに利用されることが多いと思います。

図7-1 板金加工部品の例

図7-1 板金加工部品の例

板材には冷間圧延ステンレス鋼材板と熱間圧延ステンレス鋼材板があります。板厚が薄いものは冷間圧延ステンレス鋼板で比較的表面がきれい2Bの状態が基本となります。

また、ヘアライン仕上げや#400研磨済みの材料もあります。

板厚が厚くなると熱間ステンレス鋼材板となり、表面もざらざらとしたNo,1の状態が基本となります。

また、エッチング材と呼ばれる装飾を施した意匠性の高い材料も多く出回っています。儀礼用の備品などに良く利用される材料ですね。

図7-2 エッチング材の例(筆者にて撮影)

図7-2 エッチング材の例(筆者にて撮影)

 

表7-1 ステンレス材料 板材の標準寸法

材質: SUS304, SUS316, SUS316L他

材料種類 板厚 表面状態 板厚×長さ
冷間圧延
ステンレス鋼材板
(JIS G 4305)
0.3, 1.2, 7.0
0.4, 1.5,8.0
0.5, 2.0, 9.0
0.6, 2.5, 10.0
0.7, 3.0, 12.0
0.8, 4.0, 15.0
0.9, 5.0, 20.0
1.0, 6.0
No.2D, No2B, No.3
No.4, #240, #320
#400, BA, HL
メーター板:1,000×2,000
 
シハチ板:1,219×2,438
 
ゴットー板:1,524×3,048
熱間圧延
ステンレス鋼材板
(JIS G 4304)
2.0, 5.0,9.0, 20.0
2.5, 6.0, 10.0, 25.0
3.0, 7.0, 12.0, 30.0
4.0, 8.0, 15.0, 35.0
No.1, No.3, No.4
#240, #320, #400

JIS G 4304

特別な理由がない限り、ステンレスの板材はSUS304が利用され、流通量も最も多くなります。

実際には厚み6mm程度までは冷間圧延ステンレス鋼板が利用されることが一般的ですね。表面状態は2B、#400, BA, ヘアライン(HL)が一般的です。基本的に#400やヘアライン処理は片側のみ処理された素材が多く流通しています。

6mmよりも厚い材料は熱間圧延ステンレス鋼板材が利用され、一般的にNo.1が流通しています。 

8. ステンレス材料のうち平鋼の特徴

ステンレス材料のうち、機械加工や製缶加工に汎用的に利用される平鋼(フラットバー)の特徴について解説します。

ステンレス材料のうち平鋼(フラットバー)の特徴

フラットバーは規格の厚みと幅を持っているので、切断するだけで所望のプレート形状を実現できます。精度を比較的必要としないブラケットや製缶加工用の部材として利用されることが多いです。

使いどころを覚えると非常に使い勝手の良い素材です。
是非規格サイズを覚えておくと良いと思います。

表8-1 ステンレス材料 フラットバー(平鋼)の標準寸法 (1/2)

表8-1 ステンレス材料 フラットバー
表8-1 ステンレス材料 フラットバー(平鋼)の標準寸法(1/2)
C: コールド材、 H: ホット材、 L: ヘアライン材、 4: #400研磨材 材質はSUS304

材料業者提供情報より、筆者にて作成

 

表8-2 ステンレス材料 フラットバー(平鋼)の標準寸法(2/2)

表8-2 ステンレス材料 フラットバー
表8-2 ステンレス材料 フラットバー(平鋼)の標準寸法(2/2)
H: ホット材

材料業者提供情報より、筆者にて作成

9. ステンレス材料のうち角パイプ材、アングル材、チャンネル材の特徴

ステンレス材料のうち、主に製缶加工でフレーム形状の構造体に用いられる角パイプ材、アングル材、チャンネル材について解説します。

ステンレス材料のうち、角パイプ材、アングル材、チャンネル材

これらの材料は、主に製缶加工によってフレーム形状の部材として利用されることが多いですね。基本的にはNo,1の表面になりますが、外側のみ研磨した材料なども流通しています。

また、アングル材は板材をまげてL字にした「フォーミングアングル」も一般的に利用されます。

図9-1 フォーミングアングルのイメージ

図9-1 フォーミングアングルのイメージ

 

表9-1 ステンレス材料 角パイプの標準寸法 正方形

表9-1 ステンレス材料 角パイプ
表9-1 ステンレス材料 角パイプの標準寸法 正方形
L:ヘアライン材、 4:#400研磨材、N:未研磨材

材質はSUS304 材料業者提供情報より、筆者にて作成

 

表9-2 ステンレス材料 角パイプの標準寸法 長方形

表9-2 ステンレス材料 角パイプ
表9-2 ステンレス材料 角パイプの標準寸法 長方形
L: ヘアライン材、 4: #400研磨材、N: 未研磨材

材質はSUS304 材料業者提供情報より、筆者にて作成

 

表9-3 ステンレス材料 アングル材の標準寸法

表9-3 ステンレス材料 アングル材
表9-3 ステンレス材料 アングル材の標準寸法
C:コールド材、 H:ホット材、 L:ヘアライン材、 4:#400研磨材 材質はSUS304

材料業者提供情報より、筆者にて作成

 

表9-4ステンレス材料 チャンネル材(溝形鋼)の標準寸法

表9-4 ステンレス材料 チャンネル材
表9-4 ステンレス材料 チャンネル材(溝形鋼)の標準寸法

10. まとめ

今回は、設備部品でよく使われる材料のうち、ステンレスの特徴や選び方について解説しました。

ステンレスは流通量も多く、多様な規格や表面処理の素材が存在する汎用性の高い材料ですね。

塗装やメッキが不要な利点を生かして、異物混入の要求が高く鉄ではカバーできない医療や食品加工、半導体の領域で多用される材料です。

今回は表面仕上げや溶接の後処理、素材の標準寸法の一般的な内容を解説しましたが、更に多くの規格や特徴を持った奥深い材料だと思います。

今回の内容を、ステンレスを使いこなす設計の基本情報として、ぜひお役立ていただければ幸いです。

 

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