2017年6月21~23日の3日間、東京ビックサイトで開催された「第28回 設計・製造ソリューション展(DMS2017)」。株式会社ミスミは、設計者のための業務支援のITサービス「MiSUMi RAPiD Design」を発表しました。
● inCAD Library:ミスミの自動化機構ライブラリー。設計アイデアが網羅され、膨大な機構事例を収録している。
● inCAD Components:ミスミの総合Webカタログ。寸法変更に合わせてCAD上で型番を自動作成できる。
● inCAD Frames:フレーム筐体設計ツール。マウスで絵を描くように直観的に設計できる。
● inCAD Exchange:メーカー横断型類似品検索ツール。部品の選定時間を大幅に削減できる。
● meviy:次世代ものづくりプラットフォーム。3Dデータをアップロードすることで、部品の見積もりから注文までをオンラインで実施できる。
ミスミブースではイベント当日、ノベルティとしてオリジナルのうまい棒を配布していました。気になる味は「無限の可能性」味。パッケージはこの日のための特別製だとか。
● meviy(メヴィー)
meviyは、今までの設計工程を大幅に短縮・効率化する次世代ものづくりプラットフォーム。製造プロセス全体の無駄を大幅に省けるのが大きな特徴です。イベント当日は具体的な使い方について、ミスミ社員が来訪者一人ひとりにご案内していました。
meviyの画面上で3DCADデータをアップロードすれば、ものの数秒で見積もりが出てきます。もちろん、見積もりに問題がなければそのまま注文も可能です。従来は、加工業者の見積もりの返答に時間を取られたり、型番作成のミスによって発注間違いをしたりするケースもありましたが、meviyならそういったムダな時間を大幅に削減できます。
<利用方法>
1)「meviy」のサイトにアクセスしてミスミ会員IDでログイン
2)3Dデータをアップロード
3)加工条件の確認/見積もり結果の確認
4)注文・配送先の指定
サービスの利用自体には料金はかからないとのこと。なお、取引は法人様のみとなっているそうです。
▼meviy
● inCAD Library(ライブラリー)
機構の設計アイデアや事例が網羅された「inCAD Library」。収録された設計アイデアは、なんと700以上に上ります。設計中に何か困ったことがあれば、ユニット事例を検索してチェックすることも可能です。
機構の動きをツールに内蔵された動画で確認できるので、直感的に理解しやすいというのもこのツールの特徴の一つ。また、パラメータや付属品を専用サイトで自由に選定し、設計不要でそのまま購入することもできます。現場で利用されている事例を多数取り揃えているので、新人の教育支援ツールとしても有効ですね。
▼inCAD Library
http://jp.misumi-ec.com/ec/incadlibrary/
● inCAD Components(コンポーネンツ)
しかし、inCAD Componentsであれば、CADデータをお使いのCADソフトへダイレクトインポート、寸法変更もインポート後にできます。また、変更に合わせて型番が自動作成・リネームされます。inCAD Componentsにより設備設計時間を大幅に短縮でき、うっかりミスによる誤発注も防ぐことができます。
しかし、inCAD Componentsは、このような煩わしい作業をすべて自動反映。設備設計の時間を大幅に圧縮したり、うっかりミスによる誤発注を防いだりすることができます。
▼inCAD Components:http://jp.misumi-ec.com/service/rapiddesign/support/incadcomponents/about/
● inCAD Frames(フレームス)
inCAD Framesは筐体設計をサポートするツール。マウスを操作すれば、フリーハンドに近い感覚で筐体の設計図が仕上がっていきます。
実際にinCAD Framesを動かすところを見せてもらいました。
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まるでタケノコが生えるようにニョキニョキとフレームが出てきました。このように直感的に作業ができれば、図面の前で頭を抱えることなく、サクサクと設計が進むようになるでしょう。
完成したのがこちらの図面。一度作ってしまえば、組み立て展開図やパネル図も自動で作成してくれるため、膨大な数の図面を作る手間を省くことができるようになります。
● inCAD Exchange(エクスチェンジ)
「inCAD Exchange」は制作品も含めて、メーカー横断で類似品を検索できるツール。新たに部品をオーダーするとき、今まで目視で探していたものが検索によってすぐに見つけられます。また、実際に部品を発注する際、たくさんの商品の中から同じような部品を比較・選定できるので、部品調達費のコストダウンにもつながります。
▼inCAD Exchange:http://jp.misumi-ec.com/service/rapiddesign/support/incadexchange/tutorial/
● まとめ
加工や設計の手間をできるだけ少なくするのは、設計業務に携わるすべての人にとって永遠のテーマ。従来アナログで行われていた工程も、WebやCADを使いこなすことで作業の無駄を省き、業務全体の作業効率を向上させることができます。今後、「MiSUMi RAPiD Design」を導入することによって、設備設計の現場における作業環境や効率は大きく変わっていくはずです。
(神田 匠/ノオト)